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盲目のsignoraと出会って。

2016年11月02日
大阪梅田、難波からも近い心斎橋のイタリア語スクールCiao amici≪チャオアミーチ≫の谷本です。
今年の夏、谷本がイタリア語講座を開いている文化センターに視覚障害を持つM.M.さんが入会されました。大変失礼ですが、私は前日までとても思い悩みました。イタリア語を教える前はピアノの講師だったので長年教師をしていますが、視覚障害のある方にお教えするのは初めての事でした。果たして未熟な自分に出来るだろうかという不安がとても大きかったのです。どのようにお教えしたら良いのか、またせっかく遠方から来て頂いて楽しく学んでいただけるのだろうか?など。しかし、当日私はとても驚きました。そして悩んでいた自分が恥ずかしくなりました。レベルチェックの為に私がしたいくつかの質問にM.M.さんは実に明快にはきはきと答えられ、文法もきちんと勉強されてきた形跡がうかがえたのです。これまでは点字に翻訳された文法書を使って勉強されたそうですが、3年後にボロ―ニャに留学という夢を持っておられるM.M.さん、日常会話をもっと自信をもって出来る様になりたいとのご希望でした。そして私は今まで使っていた教材はどれも見えることが前提になっていると、しごく当たり前のことに気が付き、最初は彼女の世界を想像しながらどういう風に会話を展開していけばよいか考えながらのレッスンを続けました。最近少し方向が見えてきたように思います。
イタリア滞在中に恩師から「教えるということは勉強するのと同じなのですよ、人は教えることによって逆にいろいろなことを学ぶのです」と言われたことを思い出しました。そして自分はここ暫く過去を振り返る余裕のない日々を送っていたのかも、とも思いました。
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